DE・modori

出戻っちゃったのよ、だってやっぱりここが好き!

MENU

初恋エピソード ~ コウタ君と私の思い出 ~

初恋エピソード

胸を離れないー、今も離れないー。こんな切ない初恋の唄、あったよね。さあ、タイムスリップの時間だよ。小学3年生の大人しくて目立たない少女の初恋の話。

◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆

初めましての方も、また来てくださった方もこんにちは!

 

生まれて初めて異性にドキドキ。

嬉し恥ずかしなこの気持ち。

 

 

そんな初恋。

あなたにも1つや2つあるでしょう?

あの時のあなた、ウブだったよね。

 

今でも彼と同じ名前をみかけると、胸がキュンと熱くなる。

そうだよ、乙女だよ。

 

 

コウタ君に恋心が芽生えたのは小学校3年生のとき。

クラスがえで、同じクラスになった彼をひとめ見たとたん。

 

ズッキューン!!

いえね、無条件にイケメンでしたから。

 

女の子みたいな愛くるしい顔。

笑うと八重歯がチラッとみえる。

それより何よりとても優しかった。

スカートをめくったり、髪を引っ張ったりしてくるアホ男子は足元にも及びません。

 

小学生なのに紳士だった。

ジェントル小学生!

 

 

身長はクラスで前から2番目。

私のほうがずっと背か高かった。

つか、大半のクラスの子がコウタ君より背が高かった。

でも、クラスの女子のほとんどがコウタ君のことが好きだった。

あいつもこいつもライバルなのさ。ヘヘイヘーイ。

 

 

忘れられないあの日のこと

大人しくて目立たない物静かな女の子。

自己申告ですけどね。

 

そんな私がコウタ君に話しかけるなんてこと、できるわけもなく。

コウタ君の席は私のななめ前。

授業中、教科書の陰からコウタ君をチラ見するだけの毎日。

 

コウタ君の前の席は白石君。

ノウテンキーなお調子者キャラ。

いつもいつも後ろを向いてコウタ君にくだらない話題をふる。

 

コウター、お前んちのかあちやんと俺んちのかあちゃん、かえてくんねー?

 

かあちゃんチェーンジ!

それ、お父さんも賛成なのかい?

 

と、内心ツッコミながらコウタ君をみると

コウタ君は何も言わずニコニコ笑ってる。

 

 

白石君!前を向きなさい!

 

ほら、先生に叱られた。

 

 

さて、今日も今日とて、いつもと同じ日かと思いきや。

 

今日は身体検査です!

さあ、みんなー、出席番号順に並んでー!

男子の後に女子ねー。

 

 

先生の声にぞろぞろと廊下にでて、並ぶ生徒たち。

わ、がつく名字のコウタ君。

私とコウタ君の間は3人。

みんなコウタ君より背が高くて、コウタ君が見えないよ。

 

 

ぞろーり、ぞろーり。

 

 

さて、

到着しました、体育館。

やってる、やってる身体検査。

 

 

はい、じゃ、青木君からね!

と先生が言うと、

 

青木君は身長を測って身体を量って鼻を診ている先生のところへ。

それから、耳を診ている先生のところへ。

流れ作業で生徒たちが次々と身体検査を受けていく。

 

終わった子は前を通って教室に帰っててねー!

 

ふざけ合いながら教室に戻るアホ男子。

 

コウタ君の番がきて、身長体重OK、鼻OK!耳OK!ハイ次!

その次の次の次の次が私の番ね。

 

ハイ、次!

ハイ、次!

ハイ、次!

 

ほいきた、私の番ですよ。

鼻の検査をいたしましょ。

 

すこーし上を向いてねーと、先生。

はい、と小声で返事をして少しアゴをあげた。

 

んぐ。

 

先生が左の鼻の穴にピンセットらしきものをねじ込んできた。

と、その時。

 

おーい、コウター!

健診が終わって教室に戻ろうとしていたコウタ君に白石君が声をかけた。

 

 

コウタ君が振り向いた。

 

 

左の鼻の穴が全開の私。

パッカーン

さて、お次は右の鼻の穴!

パッカーン。

 

片方ずつ、鼻の穴を広げてみせるなんて、ラクダかよ。

ラクダ

オーマイガー!!

穴があったら、入りたい。

 

 

 

 

ぷっ。

 

 

思い切りふいたコウタ君の顔。

胸を離れないー

今も離れないー

 

 

お題「恋バナ」