小学4年生が自由研究で発見した紛れもない事実
小学4年生の健太君が去年の夏休みに30日間かけてやった自由研究は2つの卵を比較するというもので、その研究結果は明確な数字には表すことができないけれど、とても興味深いものだった。
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初めましての方も、また来てくださった方もこんにちは!
土鍋ご飯が焦げるのは?
とある2月のお昼休み。
「ここ何か月か毎日土鍋でご飯を炊いているんだけどさー。上手く炊ける日とめっちゃ焦げる日があって、原因がわかんないんだよねー」
お弁当に詰めたお焦げおにぎりを箸でつつきながら私はこう続けた。
「水の量もお米も同じだし、研ぎ方だって同じ。自動炊飯機能を使ってるから、火加減だっていつも同じなのにさ、これって何がいけないんだろうね?」
その場にいた数名の同僚は、ちょっと小首をかしげて、どうしてだろうねぇという顔をするだけだった。
ぶっちゃけ本気で原因が知りたかったわけではない。何か月も試行錯誤してそれでも原因がわからないのだから、そう簡単にわかるわけもない。お昼休みのひとときの話題提供のつもりだった。
土鍋のご飯ってやっぱり美味しいですか?毎日土鍋で炊くのって大変じゃないですか?
こんな類の質問を受け、土鍋で炊くご飯について熱く語るという想定。
私は誰かが質問してくるのを待った。
「土鍋で毎日炊くのって大変じゃないの?」
ナイス!先輩の池田さん!
そうこなくちゃ!
ここから私の独壇場。土鍋でご飯を炊く素晴らしさを語るから、皆の者聞きたまえ。
「いや、全然!冷めてもおいし
「原因はご飯を研ぐときの心のあり方じゃないの?」
ずれたタイミングで登場し非科学的な事をいっちゃってるのは立川さん。
健太君のママである。
え?心のありかた?
ちょっと言ってる意味がわかんないんですけど。
「面倒だな、とか。疲れたな、とか。そんな気持ちで研いでなかった?」
いやいやいやいや。
百歩、いや百万歩ゆずってそう思っていたとしよう。
それで、ご飯がうまく炊けたり真っ黒けに焦げたりするわけない!
ない、ない、ない。絶対ない。
美味しくなーれ、美味しくなーれ。
そう言って料理しましょうって聞いたことあるけど、そもそも美味しいかどうかは個人の主観!
と、心の底から全否定しながら、ふと何年も前に読んだ本のことを思い出した。
水に「ありがとう」という言葉を見せると、形のととのったきれいな氷結結晶をつくる。一方で「ばかやろう」という言葉では、美しい結晶はできない。言葉によって、声によって、写真によって、まったく違う顔を見せる氷結結晶は、私たちに「どう生きるか」というメッセージを伝えてくれる。
「それって、水の氷結結晶的なこと?」
と、立川さんに尋ねると
「そう、その通り!想いは全てに伝わるから」
揺るがぬ顔つきで言い放った。
ま、確かにね。水の氷結結晶の本を読んだときは興味深い!と思ったし。
子供が成長する過程では、親がその子に接するときの言葉の種類でメルタルの強さが全然違ってくると思っているんだけどね。
でも、米ですよ、米!
植物にクラシックを聴かせて比較した話は知ってるけど。
米を研ぐときの想いが米に伝わってるとは、ちょっと考えにくい・・・んーなんていうか、もう成長しないやつというか。魂ぬけちゃってない?
じゃ水に魂があるか?というと、ほら水って人間の身体の60%だか70%だかでしょ?
だから、米とは何かが違う気がするんだよね。
何かって、なに?そういわれると、肌感とか曖昧な返事しかできないんだけど。
立川さんは少々ふてくされ気味な私の事も全く眼中にない感じで、小学4年の息子健太君の夏休みの自由研究の話を始めた。
小学4年生の自由研究
用意するもの。
生卵2個、保存容器2個。
まず、2つの卵を用意して綺麗に消毒した容器の中へそれぞれを割る。
常温で同じ場所に並べて保管。
ひとつをA、もうひとつをBとするとAには「大好き」や「ありがとう」Bには「大嫌い」や「バカ」など罵った言葉を浴びせる。
この時、Aを保管場所から別の部屋に持っていき声をかけBも同じようにする。
これを30日間、続け写真を撮り記録する。
うん、手順はわかった。
でもさ、小学4年生が容器に割った生卵に「ありがとう」と声をかける様が、ちょっと奇妙に感じない?
健太君が根っからの生卵好きなら、「好き」は理解できる。
カレーにも納豆にも、はたまたナポリタンにも生卵はかかせない!
どんな料理にでも、生卵をのっけて食べるのが好きな小学生。
もう一方の生卵には「大嫌い」というのだから、生卵が好きな健太君は大混乱!
しかも生卵から意地悪をされたわけでもないのに「バカ!」と暴言を吐くなんて、演劇かよ。
で、何が言いたいのかというと、その行為に心がこもらないのではないか?ということ。
「それは大人の考え!子供は素直に実行できるのよ」
10歳の子供はピュアだから、理屈をこねくり回さずに素直に実行できるという立川さん。
私にはイマイチ理解ができなかったが、話を続けてもらった。
そして、30日後。
2つの生卵にはどんな違いがあったのか?
結果と考察
健太君は30日間、休むことなく実行した。
Aには良い言葉をBには悪い言葉を素直に浴びせた結果は一目瞭然だった。
AとBの生卵の決定的な違いは臭い。
Bからの腐敗臭は鼻をつき吐き気がしたが、Aからはほとんど腐敗臭がしなかった。
Bはカビが繁殖しぐちゃぐちゃに腐敗していたがAはところどころ腐敗している程度だった。
もちろん、色々なケースを考え何百回と検証するのが研究というものだと思う。
このたった1回の結果では本物の研究とはいえない、というのは正論だけど。
小学生の自由研究なのだから、そこまで言う必要もないよね。
この自由研究での1番の収穫は健太君が言葉について意識するようになったことだと立川さんは言っていた。
「健太が実体験として言葉のチカラに気がついたから、クソが!とか言わなくなったよ」
夏休みの自由研究から学んだ言葉のチカラ。
この研究の信憑性はどうあれ、このチカラを健太君自身が体験したことは紛れもない事実。
どんな大人に育つのか、おばちゃん、楽しみにしているよ。
自由研究をやってた後半は部屋がめっちゃ臭かったらしいけどね。
追記
小学4年生が自由研究で発見した紛れもない事実 - DE・modori
私的には全面的に信じてしまいます。自分が発した言葉が耳から入ることも自分の感情に影響を与えますしね。そして気になるのはその後のごはんの炊き具合に変化があったのか?という事です。
2019/04/02 10:34
オレンジさん、そうですよね。
その後、心からお米さーん、好きだよー美味しく炊けてねーと声をかけましたが、ふつーに焦げてました。
私的には心からのつもりでしたが、立川さんに話すと雑念があるのでは?と。
知らんがな。
昨日、全く知らない他人の転送郵便がきました。
うちの住所を転送先にしているのです。
実はこれで3度目で郵便局に電話していたのにもかかわらずまたきたので、相方は若干キレ気味でお米を研いでいました。
その郵便が督促状だったので、気分がかなり悪かったようです。
これはきっと黒焦げだよ。まっくろくろすけだよ。
と密かに思っていたのです。
炊きあがったお米は程よいおこげがちょっとついた、めっちゃいい感じでした。
もしかしたら、土鍋の乾燥具合によるのかも?と考えています。
現場からは以上です。